緑内障治療で知っておきたいこと―アドヒアランスとは何か
「アドヒアランス」とはなにかご存知でしょうか。緑内障の治療を始める方・緑内障の疑いがあり眼科にかかろうとしている方にぜひ知っておいていただきたいのがアドヒアランスです。緑内障治療とアドヒアランスについてわかりやすく説明します。
アドヒアランスという言葉が緑内障治療に使われる前には「コンプライアンス」という言葉が使われていました。コンプライアンスとは患者が医師の指示に従いきっちり治療を受けるかどうかを示すものです。つまり医師から「この薬を3日間一日3錠飲むように」と言われたらその通りに薬を飲むのがコンプライアンスが良いということです。
従来、コンプライアンスが悪いのは患者側に問題があるといわれてきました。お医者さんの指示通りに薬を飲まないのは患者が治療をサボっているからだ、という考えのもとですね。
しかし、コンプライアンスの改善はなかなかうまくいきませんでした。もっと治療をうまくいかせるために、最近ではこのように考え方が変わってきたのです。患者が医師の指示に従えないのは理由があるはずだ。医師は患者とよく話し合い、患者が受けやすい治療法を一緒に考えていく必要がある。その考え方が「アドヒアランス」なのです。
つまり、医師からの一方通行だった治療(コンプライアンス)が、患者と医師がお互い話しあう治療(アドヒアランス)へと変わったということですね。アドヒアランスが良好という意味は、患者さんと医師の意思の疎通がうまくいっているために治療がいい方向に進んでいる、という意味です。緑内障の治療法にもレーザー手術などいろいろありますが、その中で最も有効なのは点眼です。目薬を差し続けるのが緑内障の治療の基本です。
緑内障は急性でないかぎり痛みなどのつらい症状が起こりません。そのために目薬を差すのを忘れてしまったりしがちです。たとえば風邪でお医者さんに行って5日間薬を出されても、3日くらいして治りかけてくると薬を飲むのを忘れることはありませんか。つらい症状が治まってくると薬のことは忘れてしまうものですよね。
緑内障の治療でアドヒアランスを良好にするためには医師としっかり話しあうことが大切です。なぜこの治療法が必要なのか、守らないとどうなるのか、守れない可能性があるならどのように改善するかなどを話しあうことで治療がうまくいくのですね。

